お金のことを調べていると、だいたいこの2つが出てきます。
両方できればそれが一番なのかもしれませんが、毎月投資に回せるお金には限りがあります。
月1万円ならどっち?
月3万円なら?
そもそも貯金が少ない状態で始めてもいい?
ここで迷って、結局どちらも始めていない人も少なくないと思います。
結論から言うと、多くの会社員は「まずNISA、余裕が出てきたらiDeCo」という順番が使いやすいと考えています。
ただし、これは「NISAのほうが優れた制度」という意味ではありません。
NISAとiDeCoでは、お金の使えるタイミングがかなり違うからです。
NISAとiDeCoは似ているようで全然違う
どちらも資産形成を後押ししてくれる制度ですが、最大の違いは「途中でお金が必要になったとき」です。
NISAで保有している投資信託や株式は、必要になれば売却して現金化できます。
一方、iDeCoは老後資金を作るための制度なので、原則として60歳まで資産を引き出せません。
この差はかなり大きいです。
20代、30代、40代の会社員なら、60歳までにまとまったお金が必要になる場面はいくらでもあります。
結婚、住宅購入、引っ越し、車、転職、家族の事情。
「老後のためだから絶対に触らないお金」を作れるのはiDeCoの長所ですが、手元のお金に余裕がない人にとっては短所にもなります。
だから最初はNISAを優先しやすい
例えば、毎月3万円を資産形成に回せるとします。
この3万円をすべてiDeCoに回してしまうと、節税効果は期待できても、急にお金が必要になったときに使えません。
NISAなら投資している以上、元本割れする可能性はありますが、売却そのものは可能です。
資産形成を始めたばかりの時期は、
「老後のお金を最大化する」
ことだけではなく、
「途中で資金不足になって投資を続けられなくなるのを防ぐ」
ことも大切です。
その意味で、自由度の高いNISAから始めるのはかなり合理的です。
ただし、貯金がほとんどないならNISAより先にやることがある
ここは意外と見落とされます。
「NISAとiDeCoのどちらを始めるか」を考える前に、ある程度の現金を確保しておきたいところです。
例えば貯金が10万円しかない状態で、毎月5万円をNISAに入れる。
個人的には、これは少し怖いです。
家電が壊れたり、病気やケガで仕事を休んだり、冠婚葬祭が重なったりすれば、10万円程度は簡単になくなります。
そこで投資信託を売ることになれば、相場が下がっているタイミングでも売却せざるを得ないかもしれません。
まずは生活防衛資金を確保する。
そのうえでNISAやiDeCoを考える。
遠回りに見えますが、資産形成を長く続けるにはこちらのほうが安心です。
iDeCoが強いのは「節税」
では、iDeCoはNISAの後でいいから大した制度ではないのかというと、まったくそんなことはありません。
iDeCoの大きな魅力は、掛金が所得控除の対象になることです。
NISAは投資によって得られた利益が非課税になる制度ですが、NISAにお金を入れたこと自体で所得税や住民税が安くなるわけではありません。
iDeCoは掛金を拠出する段階で税負担を軽くできる可能性があります。
毎年の節税効果を受けながら老後資金を積み上げられるのは、iDeCoならではの強みです。
特に、
・安定した給与収入がある
・当面使う予定のない余裕資金がある
・老後まで長期間運用できる
・所得税や住民税を支払っている
という会社員なら、検討する価値は十分あります。
「60歳まで引き出せない」は本当にデメリット?
これは人によります。
お金が自由に使えないのは、普通に考えれば不便です。
ところが、老後資金については逆にメリットになることがあります。
NISAで500万円貯まっていても、
「車を買い替えたいから100万円だけ使おう」
「旅行に行きたいから少し取り崩そう」
ということはできます。
iDeCoでは原則それができません。
つまり、自分自身から老後資金を守れるとも考えられます。
貯金があると使ってしまうタイプの人には、むしろiDeCoの不自由さが役立つかもしれません。
月1万円ならどうする?
毎月投資できるのが1万円程度なら、個人的にはまずNISAを検討します。
理由はシンプルで、資金の自由度を残したいからです。
月1万円でも年間12万円。
10年間続ければ、元本だけでも120万円になります。
金額が小さいから意味がないということはありません。
むしろ最初から無理をして金額を増やすより、「給料が入ったら自動的に1万円投資する」という状態を作るほうが重要だと思います。
月3万円なら?
月3万円を無理なく出せるようになったら、選択肢が増えてきます。
例えば、
NISAに2万円+iDeCoに1万円
のように分ける方法です。
もちろん最適な金額は年収や家計によって違いますが、「NISAかiDeCoか」の二択にする必要はありません。
使う可能性がある資産はNISA。
老後まで使わない資産はiDeCo。
こうやって目的別に分けると考えやすくなります。
月5万円以上投資できるなら併用を考えたい
毎月5万円以上を継続して資産形成に回せる家計なら、NISAだけにこだわる必要性はさらに小さくなります。
生活防衛資金を確保したうえで、
・NISAで自由度の高い長期投資
・iDeCoで老後資金+所得控除
と役割を分ける方法があります。
資産形成では「どちらの制度が得か」を競わせるより、それぞれの長所を利用したほうが合理的です。
NISAを満額にしてからiDeCo、でなくてもいい
よくあるのが、
「まずNISAの年間投資枠を全部埋めて、それからiDeCoですよね?」
という考え方です。
必ずしもそうではありません。
NISAには大きな非課税投資枠がありますが、枠を埋めること自体が目的ではないからです。
無理して投資額を増やして生活が苦しくなったら本末転倒です。
また、所得税・住民税を負担している会社員なら、NISAを利用しながらiDeCoの所得控除を活用する考え方もできます。
「NISA満額」という言葉に引っ張られず、自分が毎月無理なく出せる金額から考えたほうがいいでしょう。
ボーナスが入ったから一気に投資、はちょっと待つ
ボーナスで30万円入った。
「せっかくだから全部NISAへ」
と考えたくなりますが、その前に普通預金の残高も確認したいところです。
投資を始めると、現金を持っているのがもったいなく感じることがあります。
しかし現金には、
値下がりしないうえ、必要な瞬間に使える
という非常に大きな役割があります。
投資効率だけを考えて現金を減らしすぎる必要はありません。
迷ったときはこの順番で考える
NISAとiDeCoで迷ったら、私は次の順番で考えるのが分かりやすいと思います。
1. 生活防衛資金を作る
まず急な出費に対応できる現金を確保します。
2. NISAで少額の積立を始める
月5,000円や1万円でも構いません。
まず「投資を続ける」ことに慣れます。
3. 家計に余裕が出たら投資額を増やす
昇給や固定費削減などで余裕が増えたら、積立額を見直します。
4. 老後まで使わないお金をiDeCoへ
ここまで来たらiDeCoの所得控除も活用していきます。
この順番なら、資産形成のために今の生活を苦しくしてしまう可能性を抑えられます。
一番もったいないのは「正解を探し続けて何もしない」こと
NISAとiDeCoについて調べ始めると、
「オルカンとS&P500はどっち?」
「毎月いくらが正解?」
「一括投資と積立は?」
「暴落してから始めたほうがいい?」
と、次々に疑問が出てきます。
私もお金のことを調べていると、細かいところまで気になってしまいます。
でも、100点の方法が見つかるまで待っていると、いつまでも始められません。
最初は月5,000円でも1万円でもいい。
始めたあとで金額を変えることもできます。
資産形成では「最初から完璧だった人」より、無理のない金額で淡々と続けられた人のほうが強いのではないでしょうか。
まとめ|迷う会社員は「現金→NISA→iDeCo」で考えてみる
NISAとiDeCoには、それぞれ違ったメリットがあります。
NISAは運用益が非課税になり、必要になれば売却できる自由度があります。
iDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金の所得控除という大きなメリットがあります。
そのため、
生活防衛資金 → NISA → iDeCo
という順番で考えると、初心者でも整理しやすくなります。
もちろん、収入や年齢、家族構成によって正解は変わります。
大切なのは「制度を最大限使うこと」ではありません。
今の生活を犠牲にせず、10年、20年と続けられる仕組みを作ること。
NISAもiDeCoも、そのために上手に利用したい制度です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。制度内容や加入条件、掛金上限などは変更される場合があるため、利用時には金融庁やiDeCo公式サイトなどで最新情報をご確認ください。


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